未解決事件をコールドケースと呼ぶ。そのコールドケースの解決専任チームに焦点を当てた海外ドラマがあり、その日本版の「コールドケース」も本家と同じぐらいに面白い。自分的にはとても好き。
その「コールドケース3」を見たよってことで感想を。
コールドケース3を見て思ったこと
毎朝の作業の合間に見ていた「コールドケース3」。
吉田羊さんが主演のWOWOWドラマで、今アマプラでも見れるので見ている。個人的には普通の刑事ものよりも好き。過去をほじくり返すと、そこに明るみにできなかった何かが潜んでいて、東野圭吾の作品を読んだときのような感覚を覚える。
シーズン3は全9話だったかな?どれもこれも面白かったけど、2つほど印象深かったな…。
1つは過去のレイプされた女性たちの話。犯人男性の遺体が見つかった。殺害から10年ほどが経過していて、その容疑者として、当時その男性と関係を持ったことがある女性、つまりは襲われた女性がリストアップされる。その数は約10人ほど。
まだこれから見るという人はここからは読まないほうがいいんので、続けて読む人はネタバレを覚悟してほしい。
犯人はその女性たちではなく、その女性たちの中の1人の女性の弟。姉が襲われるところを見た弟は、男性に詰め寄ったが舐めた態度で「帰れ」とあしらわれ、さらに「お前の姉ちゃんは喜んでたぞ。また会ってやるよ」と言われたことでカチンと来て近くにあった刃物で刺し殺した。その死体が10年越しで見つかった。
なんだかんだで真犯人がわかり、その弟は殺人犯として逮捕となるんだけど、当時に女性たちがレイプ事件で警察に相談にいった時には「男の部屋に行ったんでしょ?」「自分も良い思いをしたんでしょ?」と女性の人権を完全に踏みにじることを言われて警察は助けてくれなかった。
あの時に私たちを助けてくれたのは弟。なのに、次はその弟を連れて行くの!?と警察に詰め寄る。あなたたちは助けてくれなかったじゃないか!助けてくれたのはその弟、なぜその弟が悪いの!?と。警察は黙るしかない。
真実が明るみになり、真犯人が捕まることは基本的には良い事なんだけど、こういうやり取りをみると、真実を明らかにすることが常に良いとは思えない。
最終話もそう思える話だった。ある女の子が誘拐されて5年ほどが経過した。当時、母親は側頭部を殴打されて死亡して見つかったが、その母親と暮らしていた4歳の女の子が行方不明。警察も半ばあきらめ気味。
しかし、その女の子が見つかった。ある女性が自分の娘として育てていたことが分かった。
そのある女性は、死亡した母親と仲良くしていた女性。その女性にも娘がいたが、その娘の代わりとして育てていた。捜索の結果、ある女性の娘はなくなり冷蔵庫に保管されているのが見つかる。心不全で急に亡くなったが、その亡くなった娘を警察に届けるでもなく冷蔵庫に入れていた。
その亡くなった娘の代わりとして、ある女の子を育てていた。
こう書くと、身勝手な判断と行動で、他人様の娘を誘拐して我が娘として育てているやばい女性という書き方になるが、そう単純ではない。
誘拐された女の子の母親は、若いシングルマザー。子育てに不適格な女性として周りは見ていたが、ある女性と出会って子育てに少しずつ目覚めていた。ある女性は、そのシングルマザーの子育てを支援しながら、亡くなった娘のことと女の子をどこかで被らせてみていた。
そんなある日、女性が女の子が部屋で高熱で寝ているのを見かける。しかし母親の姿が見当たらない。あまりにもの高熱で心配になり、病院に連れて行った。そこで母性に火が点いた。死んだ娘の姿と被ったんだろう。救えなかったから、次は救いたい!そんな一心だったんだと思う。
1日入院すれば大丈夫だってことで女の子は病院に入院となる。そして、事情を説明するためにシングルマザーの家に訪問した女性は、シングルマザーを責め立てる。どこに行っていたのか!なぜ高熱の娘を放置していったんだ!と。
遊びに行ったんだろ!と思い込んで責め立てた、カっとなりポットでシンブルマザーの母親を殴り殺す。実際は実は娘のために薬と食べ物を買いに行っていただけだったことは警察の捜査でのちにわかる。
そして、女の子は自分の娘として育てることを決意して連れ去った。
ダメな事なんだけど、なんというか…
そんな事を最終回を見終えて思っていた。過去を明らかにすることでわかる事実はたくさんあるし、総じて真実が明らかになることもあるけど、必ずしも幸せにならないというか、なんというか。
そして、自分はそういう感じの話が好き。犯人が分かって平和になりましたってより、過去のドラマが現在にどう絡まってきているのかが見えてモヤモヤするというのは現実と近い気がしてならない。
シーズン4やってくんないかな…などと思っている。