スマホに突然の着信。そこに母親の名前が出ている。これが日常の中で怖い出来事の中でトップクラスに来ている。
怖いと言っても、出たくないとかじゃない。迷わず3コール以内に出ているが、母親からの電話というのはいつもネガティブな内容が多い。多いけど、無視していい内容のものではないので出ているというのが現状。
なので、あまり歓迎できない電話ではあるけど、それでも絶対に出るべき電話なので出るようにしているし、どこかで電話を出たいと思っている自分も居るのかもしれない。
母親からの電話に対して率直に思う事
ネガティブしかない
母からの電話がここ数年ですごく増えたと感じている。特にこの1年で一気に増えた感がある。月に1度以上はかかってくる。
それは全然かまわないのだけど、その内容が大きく分けると次のようなことに大別される。
- 近所のこと
- 死んだらどうすべきか
この2つを知らせるために電話をしてくる。
先日も台風が来ていて地元にも直撃するかもしれないという時に電話がかかってきて、「死んだら○○して、次にXX、あれはどこどこにあるから」と連絡をしてくる。
思いやりで優しさかもしれないのはわかっているが、親が死んだらどうすべきかを度々連絡をしてくるのは本当にきつい。つらい。悲しい。
伝わらない寂しさ
加えて、母親の耳がほとんど機能していないということも悲しみを後押ししている。耳が聞こえているなら、会話をして、母親の気持ちを変えたり、こちらが聞きたいことを確認できるけど、耳がほぼ聞こえない母親は一方的に話す。
こちらが何かを言っても、まず伝わらない。伝わらないけど、自分が何かを言ったことは伝わっているので、それに反応をしようとして、母なりに話を繋げようとしてくれる。これもまたつらい。
電話をかけてくるときの母親は少々テンパっているから気持ちを和らげたいとは思うが、たいていは不安でテンションが上がった状態のままで電話が終わる。
電話をした後はいつもこちらは不安な気持ちのままになっている。
罪悪感が電話への不安になっている
思えば、母親からの電話が不安なら、実家で一緒に住めばいいとなるけど、今の自分にそれができる甲斐性も能力もないことへの負い目のようなものを強く刺激されている部分があるのだと思う。
何とか母が生きている間に、望む状況、望む環境に持っていきたい。そう思ってあがいているけど、それがなかなかうまくいってない。罪悪感に拍車をかけている状況に、母からの電話はリミットを急かしている気がして不安でいっぱいになるのだと思う。
だから、今の自分がもっと頑張るしかないんだけど、現状はそう簡単には変わらないものだから、その空回り感、現実と理想のギャップ間に潰されそうになる。
母親からの電話への自分なりの対処
そんな今、自分はどうすべきか…と考えると次のようなことを少しずつでもやっていくべきなのかな?と思っている。
母の好きにさせていく
母からの電話がプレッシャーだからといって、母に電話をするなというつもりはない。なんならもっと自由に電話ができる状況や環境を作っていきたいとすら思っている。
その理由の1つとして、残された時間がそう多くないのかもしれないという部分がある。
母親は日本人女性の平均余命にそろそろタッチする年齢。
2023年の日本人の平均寿命は、女性が87.14歳、男性が81.09歳で、いずれも3年ぶりに前の年を上回ったことが厚生労働省のまとめでわかりました。 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240726/k10014525171000.html
今から過酷な制限をかけたくはない。自由に好きなようにやってほしいので、連絡をやめろというつもりもないし、連絡が来るたびにドキドキすると言うつもりもない。平気な顔、平気な声で対応したいと思う。
母親には何も求めない
理想的なのは、母親が母親なりに楽しさを見つけてくれることなんだけど、今の母親の状況や性格からして、それはできなさそう。加えて、母親が子供へ過干渉になるのはこれまでの人生を振り返ると仕方がない。
父親から子供を守るために実家へ逃げ、女手一つで兄弟を育てたが、弟は成人後に病死をしている。自己肯定感が上がることがない人生を生きてきた母親だし、子供のことだけを考える人生だったと思う。
こういう状況は距離感の近さなどから衝突が起きたりするものらしいが、過干渉だからとかの学術的な理由で避けるつもりもない。上記で書いたように、年齢が年齢だから、10年も20年もこれが続く可能性のほうが低いのだし。
だから、母親にあれこれを求めることなく、そういうものだと受け容れていこうと思う。
自立を進めるしかない
やはり一番大切なのは、自分の人生を取り戻すことだとも思っている。
罪悪感や無価値観で自分を責めることが多い日々が10年以上続いているが、この状況や環境を変えるために1日1日を無駄にせずに自立していくことこそ、母を安心させ、母をサポートするための土台になると思っている。
少しずつでも、前に進むことを弛まなく続けていきたい。
なので・・・
結論的に言えば、母からの電話はいつもドキドキハラハラしてしまうが、どうってことはない。結局自分が頑張るしかないし、母親は相変わらず好きに電話をしてきてもいい。そう思っている。
映画やドラマで、親が子供に電話するシーンなどを見ると「うわ・・・」と反射的に抵抗感が芽生えてしまうことがある。
先日も、地球に帰れそうにないからということで地球に残した家族に、これからどうすべきか、自分の財産はどこに置いているのかを伝えるシーンを見て「オカンやん・・・」とか思い出してしまって、映画の本筋と違う部分でモヤモヤしたりもしたが、そういう体験も直視しつつ衝撃は受け流す感じで行きたいと思う。