読書習慣を効率化したい。
以前から常々思っていたことなんだけど、その中で特に気になっていたのが、掘るほうが良いのか広げるほうが良いんかという読書スタイルの選択。
一度自分なりに答えを出したいと思いGPTに質問をし、その助言をもとに自分なりの答えを出してみることにした。
深く読む読書と浅く読む読書を比較してみる
読書スタイルの比較表
比較項目 目的とテーマを決めて50冊読む その時に読みたいものを50冊読む 計画性 高い。事前に計画を立てて読む本を選定する。 低い。直感やその時の気分で本を選ぶ。 目的の明確さ 明確。特定の目的やテーマに基づいて選書する。 不明確。特定の目的やテーマがないことが多い。 テーマの一貫性 高い。選んだテーマに関連する本が揃う。 低い。多様なジャンルやテーマの本が混在する。 読書の幅 制限される場合がある。選んだテーマに集中するため他の分野は少ない。 広がる。様々なジャンルや分野の本を読むことができる。 興味・モチベーションの維持 高い。明確な目標があるためモチベーションを維持しやすい。 変動しやすい。興味が移りやすく、一貫したモチベーションを保つのが難しい場合がある。 知識の深さ 深い理解が得られやすい。特定の分野に集中して知識を深めることができる。 浅い理解になる可能性がある。多くの分野に触れるが深堀りは難しい。 時間管理 効率的。計画に基づいて読むため時間を有効に使える。 非効率的になる場合がある。選書に時間がかかることも。 新しい発見の可能性 限定的。選んだテーマに関連する範囲内での発見が中心。 高い。多様な分野に触れることで予期せぬ発見がある可能性が高い。 読書効率 高い。目的が明確なので必要な情報を効率的に取得できる。 低い場合がある。目的が曖昧だと読書の方向性が定まりにくい。 柔軟性 低い。計画に縛られるため、臨機応変な選書が難しい。 高い。その時の気分や興味に合わせて自由に選書できる。 補足
- 目的とテーマを決めて50冊読む:
- メリット: 一貫性のある知識を深めやすく、効率的に目標を達成できる。
- デメリット: 読書の幅が狭まり、新しい興味や発見の機会が減少する可能性がある。
- その時に読みたいものを50冊読む:
- メリット: 多様なジャンルやテーマに触れることで幅広い知識や新しい興味を得られる。
- デメリット: 目標が曖昧になりやすく、特定の分野での深い理解が得にくい場合がある。
参考資料
論文
論文タイトル | 著者 | 概要 | リンク |
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英語学習における多読と精読の役割 | 岩中 貴裕 | 多読と精読が英語学習において果たす役割を明らかにすることを目的とし、授業内読書(Sustained Silent Reading, SSR)の実践内容や、参加者の英語力の変化、アンケート結果を報告しています。 | リンク |
大学英語授業における読解能力向上に関する一考察:多読・精読の有効性と課題点をめぐって | 荻野 勝 | 多読と精読の有効性と課題点を整理し、英語嫌いの学生や英語を苦手とする学生、英語に自信を持つ学生に対して効果的な授業および学習方法を考察しています。 | リンク |
多読授業における読みの流暢性の発達についての研究 | 不明 | 日本人の医療系大学1年生66名を対象に、精読授業と多読授業における読解速度の伸びを検証し、多読語数と読解速度の伸びの関係について考察しています。 | リンク |
「多読に関する理解と態度についての考察」
項目 | 精読 (Intensive Reading) | 多読 (Extensive Reading) |
---|---|---|
読書態度 | 受動的・消極的 | 能動的・積極的 |
教材の選択 | 教師が選択 | 学習者が自分の興味・英語力に応じて選択 |
教材のレベル | 難易度が高い(構文・語彙が複雑) | 難易度が低い(辞書を使わずに読めるレベル) |
読書量 | 少量(部分的・断片的に読む) | 大量(年間読書目標10万~30万語以上) |
内容の理解方法 | 詳細な文法や語彙の理解に重点を置く | 全体の意味を把握し、流れや状況に即して理解する |
辞書の使用 | 頻繁に使用 | 使用しない |
読むスピード | 遅い | 速い |
日本語訳 | 主に全訳 | しない |
目的 | 文法や語彙の詳細な理解 | 流暢さの向上、英語学習のモチベーション向上 |
学習者の自由度 | 高い |
「多読授業における読みの流暢性の発達についての研究」
項目 | 精読 (Intensive Reading) | 多読 (Extensive Reading) |
---|---|---|
読書態度 | 読む内容を細かく分析しながら進める | 全体を流れで読み、詳細な分析はしない |
教材の選択 | 教師が指定した教材を使用 | 学習者が自由に教材を選ぶ |
教材の難易度 | 高め(構文や語彙が複雑) | 易しめ(辞書を使わなくても理解可能なレベル) |
読書量 | 少量(断片的に読む) | 大量(年間10万語以上を目指す) |
読むスピード | 遅い | 速い |
目的 | 文法・語彙の習得や文章構造の理解を深める | 流暢さと読むスピードの向上、英語に慣れる |
辞書の使用 | 必須 | 使用しない |
多読が読解速度を向上させる効果的な方法であることが示されています。ただし、その効果には個人差があり、特に読解速度が一定の水準に達した場合、多読語数を増やすだけでは効果が見られないこともあります。そのため、多読の進行に合わせて学習者の総合的な英語理解力を向上させる指導が必要とされています。
精読と多読は互いに補完的な関係にあり、目標に応じて適切に組み合わせることで、英語学習の効果を最大化できると結論付けています。
Fujita, Ken. 「多読授業における読みの流暢性の発達についての研究」. Reading Fluency Development in Extensive Reading Classes, 愛知学院大学, 2017.
「多読の効果と読書量との関係に関する一考察」
項目 | 精読 (Intensive Reading) | 多読 (Extensive Reading) |
---|---|---|
読書態度 | 分析的、詳細な文法・語彙の理解を重視 | 全体的な意味を把握しながら、流れるように読む |
教材の選択 | 教師が指定した複雑な教材 | 学習者が選ぶ易しい教材 |
読書量 | 少量 | 大量(最低10万語、効果が大きい場合は50万語) |
目的 | 文法や語彙の精緻な理解、試験対策に最適化 | 読む速さの向上、語彙力増加、読解力全般の向上 |
効果 | 読解力や文法力の強化 | 読書速度や語彙力に顕著な効果が見られる |
多読の効果が明確に現れるためには最低10万語以上、多くの場合50万語近くの読書が必要であると結論付けています。
読書量が効果に直結するだけでなく、短期間で集中的に読むか、長期間で継続的に読むかの方法も重要です。特に、語彙力や読む速さに対して多読が大きな効果を発揮する一方で、読解力の向上にはより長期的で多量の読書が必要であることが示されています。
また、多読の定義が一貫しておらず、研究間での基準の違いが指摘されています。そのため、今後の研究では読書量の記録方法や測定基準の統一が必要であり、個人差や教材の難易度も考慮すべき課題とされています。
https://rp-kumakendai.pu-kumamoto.ac.jp/dspace/bitstream/123456789/1044/1/2204_yoshi_65_76.pdf
Yoshii, Makoto. 「多読の効果と読書量との関係に関する一考察」. 熊本県立大学文学部紀要 第22巻 (2016): 65-76.
記事
項目 | 1. 多読と熟読のメリットと本の種類別の読書のし方 | 2. 読書は『多読』と『精読』どっちがいい? | 3. 精読と多読を使い分けて読書の幅を広げよう |
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記事の焦点 | ジャンル別に多読と精読の適用方法を解説 | 多読を推奨し、本質を掴む方法を提案 | 精読と多読の使い分けによる読書の幅を広げる方法を提案 |
多読の定義 | 大量の本を速く読むことで全体像や重要なアイデアを掴む | 短時間で多くの本を読み、情報を広く収集する | 広範囲に情報を集め、多様な視点を得る方法 |
精読の定義 | 本をじっくり読み込み、深い理解や詳細な分析を重視 | 一冊の本を深く読み込むことで、著者の考えや論理を徹底的に理解する方法 | 本の内容を深く掘り下げ、詳細を理解する方法 |
多読のメリット |
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精読のメリット |
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具体的な活用方法 |
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対象者 | 幅広いジャンルの読書を楽しみたい人 | 読書を効率的に楽しみたい人 | 読書を習慣化し、知識を深めたい人 |
結論 | 読むジャンルや目的に応じて使い分けることが重要 | 基本的には多読を推奨し、必要に応じて精読を加える | 多読と精読をバランスよく組み合わせるべき |
読書スタイルを考える上での重要ポイント
GPTに作ってもらった比較表や、論文や記事などを参考にすると、次のような点を今の自分は決めるべきであることがよくわかった。
何のために読書をするのかを明確にする
自分が読書をするのは何のためなのか。ここを明確にしなければスタイルを決めることができない。
- 趣味として読む:読むことが楽しいので読んでいる
- 投資として読む:自分を高めるために読んでいる
こういう読書をする理由を整理し、そこに優先順位をつけるべき。そうしないとスタイルを選択できない。
掘るか広げるかじゃなく両方の意識
1つのジャンルを固め読みするのか、ジャンルにとらわれず関心に任せて読むのか。どちらでも良いとはいえ、どちらかを選択するとなるとどうすべきかという事を考えた時、何のために読書するのかということも無関係ではないみたい。
ただ、考え方としては、掘る読書をするのか、広げる読書をするのかを選択するというよりも、掘る読書と広げる読書の2つのラインを同時進行で走らせる読み方が良いのかもしれない。
なので…
自分にとっての読書とは何かとなると趣味となっている部分はあるけど、今の自分には自己投資的要素が大きい。読書を通して知識を得たい、自分を高めたいと思っている。だから、投資的読書という要素を捨てきることができない。
しかし、趣味として興味本位で読みたい本もある。
なので、2つの読書プランを同時進行で走らせるスタイルが良いのかもしれない。
- 1つは、自己投資要素高めの読書
- 1つは、趣味要素高めの読書
この2つのラインを同時進行で走らせるためにはどうすればいいのか?を考えていきたいと思う。
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