超雑記ブログ

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父親がいないひとり親家庭で育った中年男性は読書をすすめたい

自分の人生を振り返るにあたって、どうしても家庭環境というものが自分に大きな影響を与えていることがわかる。

例えば、アラフィフの今でも独身で居て、結婚するつもりがない。そもそもとして今現在の自分が結婚をすると大変な負担をかけると思うので条件的に結婚に不適格だとは思うけど、学校の卒業文集などで”すぐに結婚しそうな人ナンバー1”に選ばれたことがあるぐらいに、周囲からはそういう風に見られていた。

だから同級生からは「なんでまだ独身なん?」「遊びすぎ」「誰でもええからはよ結婚しろ」と言われるが、笑ってごまかすだけで全然結婚に前向きになれない。

年齢的に考えても、自分の人生の方向性に慣性がはたらいている今を起点にして考えても、今から結婚して…という方向が幸せになれるとは思えないので独身で一人で生きる覚悟をしている。

それでもと真剣に結婚観を振り返るたびに思うのが、やっぱり父親不在という事に端を発する影響だと思っている。

父親不在の家庭で育った中年男性が思う事

まず真っ先に、世の中の母子家庭、シングルマザーを代表するつもりはない。色々なケースがあるだろうし、すべてをそこに結論付けるのは乱暴だとは思うので、そんなことをするつもりはない。

ただの一意見として、僕という個人の見る景色について語っているものだとして理解してほしい。

僕は父親不在で育つということは、子供にとってポジティブな影響を与えることはないと感じている。それは自分という人間を構成し構築していくうえでかなり強めで実感している。

父親不在の影響

父親が居ないことで感じる影響はどこにあるのか…と考えると、社会性という部分に帰結してくる。

例えば、仕事がそれに当てはまる。

僕には仕事観のようなものが本当になかった。それらしいことをそれらしく理解しているんだけど、深層心理では理解していない。

ただ、昔から「お金のために仕事をする」という価値観がどこか嫌いというか、それを軸にして生きたくはないと思っている。ただ、母親はお金のために仕事をすべきという価値観で仕事をとらえているので、そこで母親と意見の衝突を起こしてもいた。

母親の言いたいことは、お金のためなら嫌な仕事でもやれ、しがみつけ、お金のために自分を捨てろ、プライドよりお金のほうが偉いというマインドの人なので、それがどうも好きになれなかった。

嫌なことをして、自分をだましてごまかしてお金を稼ぐぐらいなら、じゃあお金は要らない。

そんな事をよく言って衝突していて、その部分の価値観は根本的には変わっていない。やってみたいこと、してみたい事の範囲でお金を稼ぐという発想は変わらない。

でも、割と真面目に仕事をしていた父親はギャンブルで身を滅ぼした。

仕事をしていてもお金がなければ家庭は維持できないので、お金はどんな仕事をしているのかよりも大切だとする母親に一理ある。でも、どこかで畳職人をしていた父親をかっこいいと思っていた部分があるので、その姿を否定したくないと自分は思っているんだと思う。

このあたりの葛藤がまんま今の仕事観に影響を与えていると思っている。

仕事への価値観のマトリクス

仕事とお金の関係をまとめると次のようなマトリクスを作れると思う。

嫌い 好き
稼げる
稼げない ×

好き嫌いと稼げるか否かで軸にすると、上記のようなマトリクスになる。

敢えて極端な軸にしてるけど、現実はもっとグラデーションがあるとは思う。嫌い寄りだけど稼げるという仕事と、大嫌いだけど稼げるという仕事なら、同じ判断にならないと思うけど、敢えて議論をわかりやすくするために極端な軸で表にしてみた。

◎にいるのが理想で、×はダメだというのは言うまでもないとは思う。

問題はAとB。この部分で自分はどこに立ちたいのかという部分で葛藤があるというか迷いがある。Aで居たいとは思うけど、Bも分かるとは思う。

そして、Aの立ち位置で失敗している父親を見ているので、Bが正解なのかもしれないということを人生経験の中で学んでいる。ただ、それは自分の性格からして合わないし、どうしてもAの位置に居て◎にするって発想のほうが良いような気がしている。

正解はないが…

正解はないし、あるのはどちらが自分に合うかどうかだとは思う。

◎という位置に行くとして、Aからスタートするのか、Bからスタートするのかで求める部分が違うというか、道のりが違うのだと思う。

  • A→◎:Aから◎に行くには、稼げるようなスキル、能力や知識を身に着けることが重要になる
  • B→◎:Bから◎に行くには、嫌いな仕事を好きになれるかどうかが重要になる

このように、プロセスによって求められることが変わってくる。僕の性格上、嫌いな仕事を好きになれる気がしない。だからAしかないとなってくる。

でも、嫌いな仕事を好きになれる人は、B→◎を成功の道だと考えて他人に薦めると思うし、そういう立ち位置で進むほうが望むゴールに行きやすいと思う。

道のりの違いだけで正解はないとは思う。

父親不在の経緯が今も影響を与えている

父親のふるまいを通して、仕事への価値観が不安定なままで居る自分ではあるけど、思えばその後の父親のふるまいも含めてそうなっている部分がある。

父親は仕事が絶えない畳職人だったけどギャンブルで借金まみれになり、家庭が破綻した。当時の僕は9歳。そこで父親は家庭のために生きることより、家庭を切り離すことを選択した。その後の父親の人生はわからないけど、死ぬ間際にお世話をしてくださっていたケースワーカーの方に軽く聞いた話では、警備員をしていたそうな。

ただ、その父親が生活拠点としていたのは有名なギャンブル場があるところ。やっぱりギャンブルから抜けられなかったのかな…しかも、警備員がしたくて生きていたわけじゃないけど、そうなるのか…という部分も含めて葛藤が消えずに残っている。

仕事を大切にせず、家庭も大切にせず。なんだかな…という思いが当時は大きくなるばかりだった。

父親不在のひとり親の子供におすすめしたいこと

繰り返しになるけど、だから父親不在がダメだとか、そういう事を断定的に言いたいわけではない。あくまで、シンママ家庭として貧困の中で生きて、今は独身中年となっている自分の人生を振り返った上で、数多のシンママ境遇の中で生きた人の中のたった1つの事例として書いている。

そのうえで思うのが、父親が居ないことと、その居なくなるまでの変化の背景にあるものも含めて、今の自分には影響を与えているよなって思うわけです。

仕事とは何か、仕事をするとは何か、家族とは家庭とは。そういった社会に不可欠ないろいろなことの解像度が一向によくならない感覚がある。

父親不在の影響のあれこれ

細かく言えば割とキリがない部分であれもこれも父親不在の影響だろうな…ってことがある。

実際、論文や記事をいくつか読むと次のような点は父親不在が影響を与えるそう。

  • 寂しさを感じない環境
  • 勉強面での精神的なサポート
  • 社会的な行動の手本
  • 経済面

http://kakeiken.org/journal/jjrhe/81/081_02.pdf

https://note.com/adhdbcba/n/n97c532f4e829

https://ippjapan.org/archives/2055

経済面ではわかりやすく影響が出るけど、見えない部分では父親不在が精神的なサポートや社会性の育成に影響を与え、学力が伸びなかったり、精神的な疾患になりやすいなどにも繋がるそう。

そりゃ、2人いた親が1人になるんだからね…。良い事よりも悪い事のほうが多くなるよな…

だから父親は居るほうが良いというのは結論として当然なんだけど、今の世の中、父親が居ない家庭は当たり前に増えてきているし、そういう傾向に現実を合わせていくとなると、不足をどうやって埋めていくべきなんだろうな…とは思う。

父親代わりに本に頼る

個人的には、父親が居ない家庭の人には本を読むことをお勧めしたい。

勉強しろ!とは言わない。ただ、色々な本が世の中には存在していて、その中には父親の代わりにいろいろなことを教えてくれるものも結構ある。

僕自身、本に結構教えてもらっている。

例えば、新渡戸稲造という方の本を読むと、割と骨太な男の感性に触れることができる。五千円札になるぐらいの偉人ではあるけど、決して順風満帆な人生ではない。

他にも個人的には稲盛和夫さんの本も面白かった。京セラという世界的企業を一代で築いた人なんだけど、その背景にあるのは結構素朴で真面目な仕事への哲学だったりする。本を通して油の匂いがするというか。

その内容の良し悪しや今の時代に合う合わないといった判断は常に付きまとうものではあるけど、そういう事も込みで、癖のある考え方、特徴のある考え方が反映されている本は生身の男に触れている感じがして面白いし、価値観に影響を与える。

父親不在を完全に穴埋めすることはできなくても、10%や20%ぐらいは埋めてくれる。いやもっとかな…

今は情報があふれていろいろな情報があるので本を読むなんて…って思うかもしれないし、その疑問も分かる。分かるけど、本は一冊を通して何かを伝えようとしているという部分で断片的な記事などでは得られない栄養分がありますし、その栄養分が上質であるほど人生に良い影響を与えてくれるのでおすすめです。

ってなわけで…

父親不在が人生に影響を与えているよな…とふと思ったので、思ったことをまとめてみました。

国の統計データを見ると高止まりしているので、ひとり親家庭が増えにくくなっていると捉えることはできるかもしれませんが、離婚件数は年々伸びていて、なおかつ少子化が進んでいる現状を踏まえると、実質はひとり親家庭が増えているのかもしれません。

https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r01/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-05-09.html

だとするなら、父親不在で苦しい思いをする子供も増えているのかな…と思い、同じ境遇の先輩として今思う事を少しだけ書いてみました。

父親の代わりを誰かや何かで埋めることは難しいし、そのせいで葛藤を抱えたり、理不尽さんを感じることも多いと思います。それは大人になってからもそう大きくは変わりません。疑問符のようなものは残るし、手本がないことで迷うことは多々あります。

そんな中で一助となる何かがあるとしたら、それは”本”かもしれません。

完全な穴埋めにはならなくても、少しは気持ちを紛らわせて、少しは足りないものを埋めて、少しは希望を感じることができるような本がもうこの世に存在しています。あとはそれと出会えるかどうかだけです。

だから本を読むということを薄く緩くでも良いので続けてみてほしいなと、ひとり親家庭の子供に届けばいいなってことで書きました。

何かの参考になりましたら幸いです。